『科学的に安全でないものは心理的にも当然安心できないのである』(170322)

 東京の豊洲のベンゼン汚染は、もともと東京ガスの石炭ガス工場の跡地ゆえに環境中に放出された環境破壊、基準値の100倍、土の基準の4万3000倍という値が検出されたベンゼン。これは環境汚染物質である。東京ガスは当然その汚染された土壌の浄化をしてから売却するのが筋である。あるいはそれを分かって東京都が購入するなら、汚染土壌を撤去してから市場を作るべきである。コンクリートで蓋をしてという思想が根本的に間違っている。  基本的に平和的自然環境中に存在しないものは人間はじめほとんどの生き物にとって有害で、あってはならない人間がお金儲けのためにとか面白半分でとかで自然環境中に放出すべきではないと考えるのが安全・安心の土台である。  人間は大自然をどんどん汚染してきた。しかし人間は汚染された環境を嫌うものである。たいがいは病気の原因になるし、臭かったり、心を持った人間は無意識的に将来の病気や不幸を予見して心理的にも気分が悪くなるからである。  しかしながら人間はお金儲けを最優先している。すなわち自然を守ることより破壊が優先事項になっている。その大自然のなかで浮舟のような人工物を作り、その浮舟にすがって生きるという戦略だ。その戦略にやすらぎがないのは明らかである。  たとえば豊洲の市場でなくとも、自然から生まれた人間が口にする食品は自然の産物が一番安全だからである。人間は少なくとも平和的あるいは時には過酷な自然環境の中で進化発展して人間になったからである。ベンゼンといった発がん物質や神経中毒砒素な…

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『生きている麹菌』(これは小説です)

『生きている麹菌』  警察は任意の事情聴取と称して、マネージャー氏の身柄を拘束、証拠隠滅を避けるためマネージャー氏は留置所入りとなった。留置所とはたちの悪い宿泊所のことである。  おまわりさんは言った。 「この端麗純米大吟醸酒を客にふるまったのはあなただけだ。犯人はまさにあなたで決まりである。毒をもったのはどういうわけか白状してはどうか。いつどんな毒を混ぜたんだ」  マネージャー氏は言った。 「わたしはなにもしていません」  おまわりさんは威圧的だった。 「状況を見たらどうだ。あなたと客がいて、日本酒を飲まなかったあなた以外みんな死んでしまったのだぞ」  マネージャー氏は懇願するように言った。 「おまわりさん、わたしは酒をふるまっただけですよ。残った日本酒は調べたんですか、毒があるかどうか」 「調べた。毒はない。さあ白状したまえ。いま白状すれば執行猶予もあるかもしれぬ。しかしそうでなければ永遠に刑務所暮らしだぞ!」 「黙秘権を使います」 「ほおぉ」  人を人とも思わない取調べが強行された。なにを言っても無駄である。マネージャー氏は心根いかれてしまった。  実は警察は現場で採取されていたわずかな日本酒の科学的鑑定を依頼していた。重大案件である。残ったわずかの日本酒を科学捜査研究所、いわゆる科捜研に送っていたのだ。  そして事件発生後一週間、サンプルのDNA鑑定をした科捜研の研究員は告げた。 「原因は野生の麹です」  おまわりさんはいぶかしげに、そしていさ…

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『今日授業の合間に話したたとえ話』(170315)

 物理や化学の法則などは、氷山の一角である。という話をした。たとえ話である。人間の科学は自然界の真理からしたらほんのかすかなひとかけらである。そういうことを知ってもらいよりよく自然を理解してもらうためのたとえ話である。  物理や化学の法則などは、氷山の一角である。だから新たな発見があれば、またそれ以前よりも多くの疑問が出てくるということなのである。  物理や化学の法則などは、氷山の一角であるということを知らないと、タイタニック号が氷山にぶつかって沈んでしまったように、人間は自然界から多くのしっぺ返しを受ける可能性があるよという話なのだ。

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『きょう授業の合間に話したこと』(170309)

 物理や化学などサイエンスの世界が見つけた法則とかにわたしたちは縛られている。ともすればそれがまったく正しいと信じている。しかしそれは同時に大いなる間違いでもある。わたしたちの知っている世界はごく限られたものである。わたしはたとえ話で、黒板に氷山の絵を書いて説明した。わたしたちの知っている法則などは、海の上に現れたごく小さな部分に過ぎない。氷山の多くの部分は目に見えない海の下に隠れている。だからそれを忘れてすべて知った気になっている人間はおろかである。  よく言うではないか、 「ひとつ新たな発見があれば、よりたくさんの分からないことが出てくる」と。  むかしタイタニック号が氷山にぶつかって沈んだのは、油断とおごりがあったからなのだ。

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